決められない政治 2013 10 12
2013年10月3日の時事通信社には、このようなニュースがありました。
政府機関の閉鎖、数週間継続か 初のデフォルト危機感増大
【ワシントン時事】17年ぶりとなった政府機関の一部閉鎖問題は、
2日に開かれたオバマ大統領と野党共和党幹部らとの会談でも、
双方の溝が埋まらず、解決の糸口が見いだせなかった。
大統領が、いら立ちを募らせているのは、
共和党内の強硬的な保守派「ティーパーティー(茶会)」系議員の存在だ。
大統領は「共和党内の過激な一派が、
国の信認を脅かしながら譲歩を得ることが常態化すれば、
将来の大統領も効果的な政治運営ができなくなる」と強調。
(引用、以上)
アメリカが「決められない政治」に陥っている原因のひとつは、
共和党内の過激派、
いや失礼、極端な「小さな政府」主義者の存在です。
つまり、ティーパーティー(茶会)系議員のことです。
こうしたグループは、
シリアへの軍事介入にも反対の立場でした。
本来ならば、共和党の議員だから賛成すると思うでしょうが、
ティーパーティー系の議員グループにとっては、
連邦政府の「極小化」が目標ですから、
外国への軍事介入にも反対です。
現在、アメリカには、三つの政党があるようなものです。
与党の民主党、穏健派議員の共和党、ティーパーティー系の共和党です。
これでは、議会が迷走し、「決められない政治」となるでしょう。
こうした共和党内の紛争で、共和党の人気は低下し、
将来の大統領、つまり次の大統領選挙も、民主党が勝つのでしょうか。
これは、「漁夫の利」かもしれません。
日本も、昨年まで「決められない政治」でしたが、
唯一の超大国であるアメリカが「決められない政治」になってしまうと、
世界への影響は大きなものとなります。
アメリカ政府は、大変ですね。
国外においては、アルカイダ系の過激派に狙われ、
国内においては、共和党内の過激派に攻撃され、
前途多難な政権運営でしょう。
主要国の一つ 2013 8 25
後世の歴史家は、こう書くでしょう。
「アメリカが世界の警察官をやめたのは、オバマ政権の時だった。
それ以来、アメリカは、主要国の一つになった」
これが意味することは、
「これからは強権国家や独裁国家の時代になる」ということです。
世界の強権国家や独裁国家の指導者たちは、
枕を高くして眠れるということです。
もうアメリカの影に怯えて不眠症になるということはないのです。
あれは幻だったのです。
ベルリンの壁が崩壊して、自由主義が勝ったのは。
世界は、再び、強権国家優位の時代に向かうのです。
民主主義というものは、脆いものです。
誰かが、毎日、民主主義という花に水をくれなければ、
枯れてしまうのです。
その役割をアメリカがやめるというならば、
世界から民主主義も自由主義も枯れる方向に行くでしょう。
今では、誰も信じないでしょうが、
かつて、アメリカは、世界に民主主義を広めると主張していた時代があったのです。
今のアメリカは、「そんな面倒なことに巻き込まれるのは嫌だ。
仕事を増やさないでくれ」という気分でしょう。